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かおりも一緒に味わう「食べる風邪薬」春菊のお話
更新日:2021年11月1日
今年は11月の7日が立冬、暖房器具を出したり、衣類も厚手のものに袖を通す機会が増えてきました。空気も乾燥してきているので、風邪も引きやすい季節です。今回もそんな時季にぴったりなお野菜をご紹介したいと思います。

おやさいの情報にご協力いただいているのはバグラスファーマーズさん。
コロナの緊急事態宣言明けをうけ、国連大学前のファーマーズマーケットにて日曜日出店しております。
実は今年、はしり(旬のはじめ)の春菊が届くのがけっこう早かった。栗も1ヶ月早かったと収穫に驚かれていた農家さんがいらっしゃいましたが、いやあれは馴染みの和菓子屋さんか、今年は春菊も少し前倒しで旬が訪れているようです。
もちろんご紹介する春菊も、今週末のマーケットに登場しています。
いとう農園さんから!標高800mの高原で育てられた風味豊かな春菊は生でも美味しくいただけます。ぜひお試しください。(2021.10.29現在)
<まずは食べ頃、旬のおはなし>
菊といわれると日本人の節句に登場するのは、秋ですね。春菊は春に花を咲かせることが名前の由来になっています。野菜としての旬は11月から3月ウインターシーズンのお野菜です。また旬のシーズンは香りも良く、茎や葉が柔らかいとされています。春先に花が咲くということは、新芽が育つシーズンが冬季に差し掛かるのかもしれません。 <どこからきたの?原産地のおはなし> 春菊はキク科キク属。原産は地中海沿岸と東部とされ、ヨーロッパでは観賞用。食用としている地域は、インドや中国、東南アジアをはじめとする東アジア地域のみ 日本には室町時代に登場しています。ローマギク、リュウキュウギクなど、その名前の通り渡来した地域がわかるさまざまな呼び名があります。 西日本では春菊は「きくな」とよばれ、現在では地域によって少し品種も異なります。西はかぶが横に広がるタイプ、関東では縦に伸びるタイプが主流になっているようです。
<ちょっとよもやま:品種というより産地のおはなし?> 環境が少し厳しいと味も栄養素もちょっと強めになるのでは? 春菊に限ったお話ではないののですが・・・ 先ほど紹介した地域による品種タイプ以外に、調べていて面白い記事がありました。九州地域で取れる春菊は苦味がかるく、関東地域のほうが苦味が強いというお話も、実はお茶もそのような法則があって、原産地が暖かい穏やかな気候だとすると、その逆の地域は少し風味の特徴が立つようです。 バグラスの吉岡さんからもお話伺いましたが、ケールはこの逆(原産地が北の方面)、南下すると苦味などが増すとのこと。 化粧品などに使用されるハーブなども同様に、厳しい環境で育ったものは抽出成分が濃厚になることもあります。 部位でも産地でも品種でもそして(バグラスさんのお話では)生産者さんの育て方によってもその野菜の味は変わると言われています。一つの野菜でも、それらの要素によって風味が変わることも楽しみの一つになるかもしれません。
<栄養について> 「食べる風邪薬」と言われる由縁は?栄養素のほかに香りも関与 ベータカロチンは、体内で ビタミンAに変化するビタミンAの原料で、粘液、皮膚の保護、などに効果があり、免疫を高めてくれます。ケール、ほうれん草、小松菜よりベータカロチンの量は多そうです。 他にも ・ビタミンC、B1、B2、K* ・カルシウム、鉄分、リンカリウム、葉酸*、食物繊維も豊富。 ペリルアルデヒドとαピネンは、「森の香り」代表格。 これらは副交感神経に作用しリラックス効果、胃腸の消化を促進してくれます。さらに副交感神経優位で、リラックス効果もあるなら、質の良い睡眠にも働きも期待できそうです。 たかが香りと侮ることなかれ、香りは鼻腔から脳にダイレクトに働く 香りはまず鼻腔の上にある粘膜を経てすばやく脳を刺激。気道から血管に乗り、体内を循環。香り成分はたとえ微量でもさまざまな形で人の体に影響を与えています。 (山瀬理恵子さんブログより文章掲載しています) この一文だけで本当に奥深い香りや精油の世界。リンクしたブログには、さらにαピネンの薬事効果なども記載されているます。興味のある方はブログもぜひご一読を *備忘録:ビタミンKとは脂溶性のビタミンの一つ肝臓(脂肪細胞)に貯蔵されるビタミン
血液の凝固、骨の形成などを助ける働き。緑茶と海藻などに多く含まれる 葉酸:ビタミンB群の一種とされ、血液を作る働きがある。細胞分裂やDNAの合成に必要とされているため、胎児の育成のために妊婦には摂取が推奨されている。不足は動脈硬化、悪性貧血、神経障害なども発生リスクが高まるとされている。冷え性、口内炎、貧血、などの予防にもなるので女性にはこまめに取っておきたい栄養素の一つ。葉物のほかレバーなどの成分にも含まれる
鍋、おひたし、炒め物と大活躍 意外とサラダが簡単で食べやすい
葉の部分に苦味成分が多く、加熱すると出やすいと言われています。 鍋などで煮る時は、食べる直前に、おひたしなどには、かるく湯通しして出汁と和えると美味しくいただけます。 旬は風味豊かで葉茎が全体に柔らかいため、最近ではサラダで食べる方も増えています。 春菊でシーザーサラダ風に 胡麻味噌マヨネーズ、クルミとアーモンド、粉チーズがけ (写真は後送) ◆ドレッシング(作らないでシーザーサラダドレッシングでもOK) ・マヨネーズ ・すりごま ・塩、黒胡椒 ・白味噌 ・粉チーズ ◆トッピング くるみ、アーモンド、白胡麻などお好みで ビニールにいれて、すりこぎや蕎麦打ち棒で砕いたもの ◆サラダ用の野菜 ・春菊(下洗いしてざくぎり、茎が気になる方は茎は5ミリ程度に小さく刻んでおく)
・湯通ししたエリンギ ・茹で卵 お好みで春菊同様に刻んだ白菜なども美味しいです。ただし入れすぎると水っぽくなるので注意 葉と茎の部分は分けて同じ分数湯通しをしてみました。確かに葉のほうが生より苦味がたつかも、何よりこの時季の新鮮な春菊は風味も豊かで葉が柔らかいです。ぜひ鮮度のよいお野菜を手にいれてお試しください。 ご拝読感謝です。